2021年7月25日,畜ガールズ第4回ブロック長会議の際に,畜ガールズ副会長の上松瑞穂さんが「組織の歩き方」と題して講演を行ないました。その内容を以下,書き起こしてご紹介します。


2021-07-25 @ウェブ(ZOOM)

組織の歩き方 

▶ 私の中では「個人の頑張りで何とかして精神論でどうこうする時代じゃない」と思っています。聞いているみなさんの中にはNOSAIの先生,あるいはNOSAIを離職された先生が多いと思いますが,「多様な人材が多様に存在してよい」というふうにならないNOSAIがおかしいと私は思っています。これから私が思考回路をどのようにしているかについてお話ししたいと思います。

 

この講演のテーマが決まった後,谷会長から,「それ,上松さんだからできるのよね」と言われて,私はすごく考えました。何を話したとしても,「それ,上松さんだからできたのよ」とか「宮崎は運がいいからできたのよ」などと言われてしまうと元も子もないんです。それで,私は自分のことについて考えました。このことは自分とはどういう人間で,今までどういうふうにして生きてきたのかを振り返るきっかけになりました。

 

私はすごく生きづらかったんです。子どもの頃から生きづらかったんです。最近いろんな本を読み進めて,やっと「私は人と視る視点がどうも違うのだ」ということがはっきりわかりました。それで「私は生きづらかったんだ」ということを納得したんですが,その上で私はみんなと一緒にいたいと思いました。「みんな違ってみんないい」になったらいいのになとつくづく思います。

 

それでは「組織の歩き方」についてやっていきたいと思います。


▶ 私の思考回路は「なぜ」とか「どうしてこれをやるのか」をいちいち通ります。私は「なぜ」とか「何のために」が腑に落ちないと行動に移せないタイプの人間です。なので,「そもそもなぜ獣医師になったのか」とか,「なぜ今,獣医師を続けているのか」ということについても,それぞれの年代において振り返って考えることが多いです。

 

みなさんはどうでしょうか。

 

私が今も獣医師を続けている理由はこのイラストのとおりです。家畜も笑っていて,農家も笑っていて,獣医も笑っていて,診療所は私たちが困らない程度に笑っていればそれでいい --- とにかく全員がウィンウィンだと嬉しいです。

 

ここで,例えばの話ですが,家畜が泣いていて,農家が泣いていて,獣医が疲弊しながら注射を打っていて,そして診療所だけが笑っているというのは,私は嫌です。それで,どのようにしたらこの構図になるのかということを,今の仕事と絡めてお話ししたいと思います。


私は農家をビジネスパートナーだと考えています

 

私は今,コンサルの仕事しかやっていないんですが,「農家はビジネスパートナーで,獣医とどっちが上でも下でもない」と考えています。なので,農家に「先生」と呼んでもらう必要はないですし,私も農家のことを「さん」付けで呼んでいます。農家を格下だとも思いません。

 

私の頭の中で考えているのは,「魚を1匹与えれば,彼はその日の食事に困らない。魚の釣り方を教えれば,彼は一生食事に困らない」ということです。こういう気持ちで農家と接しています。

 

管理職になって,上司という立場になると,自分より年上の部下もいます。いろんなものを背負うのだと覚悟したときに,ますますこのような包括的な考え方が必要なのではないかと思うに至りました。


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